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シャープ「RoBoHoN」(ロボホン)、税別19万8000円で5月26日発売

月産5000台、4月14日13時から予約開始

 シャープは、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN」(ロボホン、SR-01M-W)を5月26日に発売する。価格は19万8000円(税抜、以下同)。音声対話機能の利用には月額980円の「ココロプラン」が必要。任意で通信サービスや保守パックに加入できる。発表会の模様は別記事を参照していただきたい。

 ロボホンは、“モバイル型ロボット電話”とする、小型で二足歩行が可能なヒューマノイドロボット。2015年10月に概要が発表されていた。ロボホンには音声通話を含む携帯電話・スマートフォンとしての基本的な機能が搭載され、ロボホンと対話しながら、カメラや通話、プロジェクターといった機能を利用できる。

 顔認識機能やユーザーの利用状況、プロフィールなどを学習して話す内容が変化し、自然なコミュニケーションが可能になるとしている。

 ロボホン専用アプリの追加により機能を拡張でき、6月下旬からはロボホン専用の追加アプリの配信が開始される。

 通信機能はWi-FiおよびLTE、3Gに対応。Bluetooth 4.0もサポートされる。音声対話機能とそれに必要な処理はクラウド上で行われるため、対話機能の利用には、通信環境と、クラウドサービスを利用するための「ココロプラン」への加入が必須となる。ロボホン専用アプリは、当面は「ココロプラン」の料金内で利用できる見込み。

 SIMカードスロットを搭載し、LTE/3Gの通信にはNTTドコモのLTE網に対応したSIMカードを利用する。シャープがロボホンと一緒にSIMカードを販売するほか、ユーザーが別途用意するドコモやMVNOのSIMカードも利用できる。ロボホン本体を利用した音声通話には、音声通話対応のSIMカードが必要。データ通信専用のSIMカードや、Wi-Fi接続のみでも、音声通話以外はすべての機能を利用できる。

 身長が約19.5cm、体重は約390gで、持ち運べるサイズを実現。バッテリーを内蔵し、想定される利用内容で1日以上の稼働が可能。パッケージにはイス型の充電台が同梱される。持ち運ぶ際に利用するケースなどが別売りのオプションとしてラインナップされている。

「RoBoHoN」(SR-01M-W)

ロボホンの機能

 起き上がりやダンス、二足歩行での移動といったヒューマノイドロボットとしての動きや機能に加えて、Androidスマートフォンとしての通話やカメラ、インターネットに接続した検索機能、小型レーザープロジェクターなどの機能を搭載。基本的にすべての機能は、ユーザーが呼びかけるなどの対話を通じて利用する。

 ロボホン本体を手に持って、音声通話が可能。ロボホンを置いたハンズフリー通話では相手の声に合わせてロボホンが動く。専用メールアドレスでメッセージの送受信ができ、送信メッセージの音声入力、受信メッセージの読み上げに対応。ユーザーの顔を見つけて写真や動画を撮影する機能や、撮影したものをプロジェクターで投影が可能。「パーティモード」では電話帳に登録されている人の顔を見つけると呼びかけて写真を撮るほか、「散策モード」では旅先で立ち止まると自動的に風景を撮影する。

 アプリ・サービスとして「リマインダ」「アラーム」「検索」「音楽・動画」「天気」「ニュース」をあらかじめ内蔵している。サードパーティが開発するロボホン専用アプリは6月末以降、順次配信される。アプリの利用は「ココロプラン」の契約が必要。ロボホン公式Webサイトから好みのアプリを選択すると、ロボホンにダウンロードされる。一般的なAndroid向けアプリはインストールできない。

主な仕様

 本体には小型・高性能なサーボモーターを13個内蔵している。加速度3軸、地磁気3軸、ジャイロ3軸の9軸センサーと照度センサーを搭載。GPSに対応し、ヘッドセットやスマートフォンとの連携でBluetoothも利用する。

 ソフトウェアプラットフォームはAndroid 5.0。チップセットはSnapdragon 400で、1.2GHzのクアッドコア。メモリ(RAM)は2GB、ストレージは16GB。背面ディスプレイは2インチのQVGA。カメラは800万画素で、プロジェクターは1280×720ドットでHD相当。

 対応周波数帯はLTEがバンド1/3/19、3Gがバンド1/6/19。VoLTEをサポートしている。無線LANはIEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)。

 バッテリーは1700mAh。充電時間は約155分。連続待受時間はLTEで約210時間、3Gで約220時間。連続通話時間はVoLTEで約400分、3Gで約410分。

料金

 前述の通り、本体の価格は19万8000円。ロボホンの利用で基本となる音声対話機能は、クラウドサービスを利用するための「ココロプラン」が必要で、月額980円。

 このほかに任意のサービスとして、シャープがMVNOとしてロボホン向けに用意するモバイル通信サービス(SIMカード)と、メーカー保証を延長する「保守パック」が月額制で用意される。

 「データSIM」はデータ通信のみで、月間1GBのプランが月額650円、3GBプランが月額950円、5GBプランが月額1580円。「音声通話SIM」は1GBプランが月額1350円、3GBプランが1650円、5GBプランが月額2280円。通話料は30秒あたり20円。開通事務手数料は3200円で、契約月の基本料は無料。

 「保守パック」は、メーカー保証(1年間)の後に、修理の料金などを割引料金で利用できるサービス。ロボホン購入時のみ申し込める。料金割引の適用は年3回まで。

 「ケアプラン50」は月額990円で、修理料金が購入から5年間、50%割引になる。破損や消耗部品の交換も50%割引。

 「ケアプラン70」は月額1650円で、修理料金が購入から5年間、70%割引になる。破損や消耗部品の交換は70%割引。

オプション

 キャリングケース(SR-CA01)は9800円、キャリングケース(SR-CA03)は2800円。ロボホンのパッケージの同梱品と同じ卓上ホルダー(SR-DH01)は2600円。

今後登場するロボホン専用アプリ

 今後登場するアプリで、開発が進んでいるものも明らかにされている。付近のレストランなどの飲食店をオススメするアプリや、クイズのアプリ、ロボホンを通じてタクシーの配車を依頼でき、経過をしゃべって教えてくれるアプリ、レシピや調理の手順をロボホンが教えてくれ、一緒に料理ができるアプリなどが配信される予定。

 ディー・エル・イーが開発する「ロボ釣り」は、ロボホンが釣りのゲームをして、釣果を声やプロジェクターの投影で教えてくれるというもの。場所によって釣れる魚が異なり、ロボホンが名古屋にいると「しゃちほこ」を釣ることもあるといった、位置情報と連動したご当地要素も盛り込まれている。

太田 亮三