900MHz帯の周波数オークションは実施されない方向、総務大臣が答弁


 1日の衆議院総務委員会において、川端達夫総務大臣が900MHz帯の周波数オークションについて質問を受け、「総務省としては規定の方針の通りに進める」と答弁し、900MHz帯の周波数オークションを実施しない方針を示した。

 総務省では、今年3月から周波数オークションでの議論を進めてきた。今年11月に発表された報告書案では、第4世代(4G)向けの周波数帯(3.4GHz帯~3.6GHz帯)において2015年頃に周波数オークションを導入する想定となっている。しかし11月21日に行われた政府の行政刷新会議による提言型政策仕分けでは、「3.9Gから周波数オークションを導入すべき」と指摘され、近々に割当予定だった900MHzで周波数オークションを行うよう提言した。

 これを受け、1日の総務委員会において、自民党の橘慶一郎議員が「総務大臣から方針を明確に示して欲しい」と質問。答弁に立った川端総務相は「行政刷新会議は中長期的な提言を行うということで、その趣旨を最大限尊重する立場ではあるが、700MHz帯/900MHz帯の、3.9世代(3.9G)の携帯電話への割当については、急増するトラフィックに対応するための周波数割当が急務で、関連業界も準備を進めている。総務省としては、規定の方針通り、スケジュールに沿って粛々と手続きを進めてまいりたい」と語り、仕分けによる提言を見送り、900MHz帯での周波数オークションを実施しない方針を示した。




(関口 聖)

2011/12/1 20:35