■ ワンタッチで最大8個までミニアプリを表示できる仕組み
|
iウィジェット専用画面(ウィジェットビュー)
|
「iウィジェット」は、NTTドコモの携帯電話で利用できる小さなアプリケーション(ミニアプリ)と、それを利用するための仕組みです。
iウィジェット対応機種では、携帯電話の待受画面から、iウィジェット専用の、「W」と描かれたiウィジェットボタンを押すだけで、最大8個のミニアプリを表示できます。たとえば、iウィジェット専用画面(ウィジェットビュー)に時計や天気予報、時刻表、株価情報といったミニアプリを指定しておけば、Wボタンを一度押すだけで、専用画面に切り替わり、現在時刻や天気、株価、駅に次に来る電車など、複数の情報を一目で確認できます。
ミニアプリのうち、1つを選んでより詳細な情報を表示させたり、編集したり(たとえば伝言板ウィジェットを選んで、伝言への返信を書くというような操作など)も行えるようになっています。
iウィジェットのアプリは、携帯電話にプリインストールされるもののほか、公式サイト、一般サイトからダウンロードしてくることもできます。iウィジェット専用画面に表示するアプリは、440×80ドット、320×240ドット、240×320ドット、160×160ドットのいずれかで表示するように作られています。一覧表示ではさらにそれを60%程度のサイズに縮小して表示されます。ユーザーは、携帯電話内のミニアプリを自由にiウィジェット専用画面に配置して、一覧表示したときは、使いやすいようにカスタマイズすることが可能です。
iウィジェットは、「アイウィジェット」と読み、その名の通り、ドコモのFOMA用サービスです。2008年秋冬モデルから導入されました。2008年11月現在では、N-02A、P-02A、F-01A、F-03A、N-01A、P-01A、SH-01A、SH-03A、N-04A、SH-04Aの計10機種で利用できる、とされています。
■ 仕組みはほぼiアプリ
iウィジェットの仕組みを見ると、2008年秋冬モデルから搭載された「Starプロファイル」を利用しています。
「Starプロファイル」とは、それまでiアプリ用として使われていたJavaプロファイル「Doja」の後継プロファイルです。Dojaでサポートしていたiアプリ、iアプリDX用の機能に加えて、利用中のiアプリから複数人の呼び出しを行える「iアプリコール」、複数人とリアルタイム通信を行う「iアプリオンライン」、それにiウィジェットで利用するウィジェット関係の機能が追加されたものになっています。
ちなみに“プロファイル”とは、Javaの技術において「特定カテゴリのデバイス(機器)に必要なAPIとJava2ME構成の指定」のことです。つまり、Starプロファイルは、iアプリやiアプリオンライン、iウィジェットを動かす際に、Javaでどのような仕組みで作られていて、どうすればそれらの機能を使えるかといった定義を決めたもの、ということになります。
したがって、iウィジェットで使うウィジェットアプリは、これまでのドコモの携帯電話で利用できたiアプリDXやiアプリと同じ仕組みをそのまま基本としたJavaアプリケーションなのです。
この仕組みを採用したことで、iモーションを使った動画再生ができないなど一部機能に制約があるものの、iウィジェットには、これまでのiアプリでできることはほぼ実現できる、というメリットがあります。これはauやソフトバンクなど他の事業者が採用したウィジェット(ガジェット)のプラットフォームにはないメリットです。
iウィジェットでは、ミニアプリからフル規格のiアプリ(フルアプリ)を起動したり、逆にフルアプリからミニアプリを起動したりできます。また、アプリを配布する際にフルアプリとミニアプリを一括ダウンロードできるようにしたり、公式サイトから配布されるミニアプリの場合はiアプリDXの機能を利用できます。
今までiアプリ/iアプリDXを開発していたコンテンツプロバイダにとって、iウィジェットの仕組みは、ノウハウや資産を活用してそのままウィジェットアプリの開発もできるということになります。ちなみに、iウィジェット用アプリはiアプリと同じく、ドコモの認証なしに、一般サイト(勝手サイト)からミニアプリを配布できます。
その反面、iウィジェットアプリを開発するには、当然のことながら、iアプリと同じようにJavaの知識とJavaアプリケーションをコンパイルするための環境が必要です。同じ“ウィジェット”と呼ばれる機能でも、ダイナミックHTMLのみを利用するNetFront Browser Widgetsなどと比べ、開発者の裾野を広げるという意味ではやや不利とも言えます。なお、パソコンでのウィジェットもその多くはNetFront Browser Widgetsと同様にダイナミックHTMLを利用した仕組みになっています。
iウィジェットでは、どちらかといえば、すでにiアプリとして開発されたものを流用するほうが、手軽に実現できるため、サービス開始当初に登場するiウィジェットのミニアプリは、既存のiアプリを元にした機能縮小版(縮小表示版)になる、というケースが多くなるのではないかと考えられます。
■ URL
iウィジェット サービス概要(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/service/func_tool/iwidget/
iウィジェット紹介ページ(NTTドコモ iモードプレス)
http://imode-press.jp/imode/top/new_service/widget/
■ 関連記事
・ 時計や株価、検索などでカスタマイズ「iウィジェット」
・ ドコモ、iアプリの新バージョン「Star」導入
(大和 哲)
2008/11/25 12:37
|